「教養のある大人になりたい。」
そう思ったことありますよね。
「社会人になったらある程度の教養は身につけないとね。」
そんなふうに上司や先輩から言われたこともあるのではないでしょうか。
でも、教養っていったいなんなのでしょうか。
知識がたくさんあることを教養があるというのでしょうか。
それともテーブルマナーなど、上品な所作のことを言うのでしょうか。
今回は、教養とは何か、そして教養を身につけるためにどうしたら良いかということについてお伝えします。
記事を書くにあたり、以下の本を参考にしています。
教養とは
あなたの身の回りにも、物知りな人っていますよね。いろんなジャンルに詳しくて、どんどん小ネタが出てくる人。こう言う人が教養があるというのでしょうか。なんだか少し違う気がしますよね。
私たちが普段何気なく使っている教養という言葉、正しく理解して使えていない人も多いのではないでしょうか。
「教養の書」では、教養を以下のように定義しています。
【定義】われわれにとっての教養とは、「社会の担い手であることを自覚し、公共圏における議論を通じて、未来へ向けて社会を改善し存続させようとする存在」であるために必要な素養・能力(市民的器量)であり、また、己に「規矩」を課すことによってそうした素養・能力を持つ人格へと自己形成するための過程も意味する。 ここでの素養・能力には、以下のものが含まれる。①大きな座標系に位置づけられ、互いに関連づけられた豊かな知識。さりとて既存の知識を絶対視はしない健全な懐疑。②より大きな価値基準に照らして自己を相対化し、必要があれば自分の意見を変えることを厭わない闊達さ。公共圏と私生活圏のバランスをとる柔軟性。③答えの見つからない状態に対する耐性。見通しのきかない中でも、少しでもよい方向に社会を変化させることができると信じ、その方向に向かって①②を用いて努力し続けるしたたかな楽天性とコミットメント。
戸田山和久. 教養の書 (pp.123-124). 筑摩書房
この本を読んだことのない人からすると、なんのこっちゃと思われるかもしれません。
しかし、この文章は、教養について非常に重要な考察がなされています。
私なりにこの定義を元に、教養とは何かということを噛み砕いてみます。
「教養」って結局なんなんだ?
さあ、今の定義をもとに改めて教養ってなんだってことを考えてみましょう。
よく聞く言葉だけど、「教養がある人」って、どんな人のことだと思いますか?
たくさん本を読んでいる人?マナーがいい人?難しい言葉を使う人?
もちろんそれも一部かもしれません。でも、ぼくたちが大切にしたい「教養」は、もっと根っこの部分に関わるものです。
一言でいうとこうなります。
「この社会を少しでも良くしようと考え、行動できる人」になるために必要な力。
そして、それを身につけようとする**「姿勢」**そのものが教養といえるのです。
教養に必要な3つの力
では、社会に良い影響を与える教養人になるために、どのような力が必要なのでしょうか。
1. 広い視野と疑う力
まずは、いろんなことを知っているだけじゃなく、
それらがどうつながっているのかを考えられることがとても大切です。
「この知識って他のこととどう関係してるんだろう?」と常に考えるクセが大切です。
でも、ただ知ってるだけじゃダメ。
「本当にそうなの?」「別の見方はないの?」と物事をいろんな視点から考えられること。これが非常に重要。大人になり、知識が増えると当たり前が増えてしまいます。そしてその当たり前を疑えなくなります。周りを見渡すと頭の硬い大人って多くないですか?
そうならないためにも、常識や当たり前を常に疑う姿勢が大切なのです。
2. 自分を見直す力とバランス感覚
自分の意見をしっかり持つのは大事。
でも、「もっと大きな視点から見たら自分の考えはどうなんだろう?」とより俯瞰して考えてみましょう。
人の話を聞いて、自分の意見を変えることがあってもいいんです。人間は常に変化する生き物です。それをカッコ悪いことだとは思わない柔軟さも、教養の一部です。
また、社会のことばかり考えて疲れすぎるのもよくありません。
結局、人生は豊かに生きないと意味がありません。自分が豊かになって初めて他人を豊かにすることができるのです。
仕事・家庭・自分の時間、それぞれをうまくバランス取るのも大事なスキルなんです。
3. 正解がない中でも進む力
社会の問題って、たいていすぐには答えが出ません。
だからこそ、「よくなるはず」と信じて、少しずつ行動できる人が必要なんです。
不確実な時代に、自分なりの考えをもって前に進む忍耐力と、
それでも希望を捨てない前向きさが大切なんです。
それが、本当の意味で「教養ある人」の強さです。
まとめ:教養とは、自分を鍛える旅
教養って、誰かに「教えてもらう」だけのものじゃない。
自分自身で問い、迷い、変わりながら少しずつ身につけていくもの。
そしてそれは一生続いていく旅のようなものです。
知識だけじゃなく、自分の心のあり方や、社会との関わり方まで含めて、
「どう生きるか」を深く考え続けること。
それこそが、ぼくたちの考える本当の「教養」なのです。
参考にした書籍のリンクは以下から
教養を身に付けたくて読書をしたいという方は、以下の記事でおすすめの書籍を紹介しているのでぜひ一読ください。